占いの業界の課題は、確かめられる事実から4つに整理できる
占い業界の課題を、公的な統計や公表資料から確かめられる範囲で整理しました。実態を把握する統計がないこと、参入の要件がないこと、相談が届いていること、情報公開の差の4点をまとめました。
占いの業界について課題を語る記述は数多くありますが、その多くは印象にもとづいています。ここでは、公的な資料や公表されている調査から確かめられる範囲に絞って整理します。確かめられることと、確かめられないことを分けるところから始めます。
実態を把握する統計がありません
まず、業界の輪郭そのものが数字で押さえられていない点があります。
産業を分類する区分がありません
産業を分類する枠組みの中に、占いを単独で扱う区分が置かれていません。区分が無ければ、統計として集計されることもありません。
事業者は他の業種に含めて分類されるため、そこから占いの分だけを取り出すこともできません。事業所の数も、従事する人の数も、公的な数字としては存在しないことになります。
民間の推計も内訳は非公開です
矢野経済研究所は、占いサービスに関連した主要6市場の合算値が2023年度で997億円と推計しています。ただ、公開されているプレスリリースには市場ごとの内訳が含まれていません。
同じ発表では、市場規模に含まれるのは法人によって継続的に運営されているサービスのみで、個人事業者は除外されていると説明されています。つまり、個人で活動している部分は数字に入っていません。
実態が把握できていないと、対策も立てにくくなります。これが一つめの課題です。
参入の要件がありません
二つめは、誰が事業を行えるかについての要件が置かれていないことです。
鑑定を行うことについて、免許や登録を求める法令はありません。国家資格として設けられている制度の枠組みの外にあります。
そのため、経験や技量を外から確かめる共通の基準も存在しません。掲げられている資格は民間団体の認定で、団体ごとに基準が違います。同じ名称でも中身が同じとは限らず、比較もできません。
採用の基準も各サービスが独自に決めています。選考でどこを見るかまで公開しているサービスは限られます。
公的機関に相談が届いています
三つめは、利用に伴う問題が記録として残っている点です。
国民生活センターは2020年11月26日の発表で、全国の消費生活センター等に占いサイトやアプリに関する相談が年間1,000件以上寄せられ、2019年度以降増加していることを公表しています。
同じ発表では、無料のつもりで登録した先で、鑑定を名乗る相手とのやりとりが複数回続き、高額な支払いに至ったという相談事例が挙げられています。相談者の8割が女性であることも示されています。
これは占いのサービス全般を指す数字ではなく、消費生活センター等に届いた相談の集計です。ただ、公的な機関が集計している点で、確かめられる数字になります。
料金の見通しが立ちにくい設計
相談の内容として挙げられているのは、やりとりが引き延ばされて総額が膨らむ形です。これは料金の設計と結び付いています。
通話時間やメッセージの往復に応じて課金される形では、終わりを自分で決めない限り総額が決まりません。上限を先に置く仕組みが用意されていなければ、判断はすべて利用する側に委ねられます。
情報公開の差があります
四つめは、事業者ごとに公開している情報の量が揃っていない点です。
ウラシルベでは16サービスの公式サイトを確認し、料金・初回特典・在籍数・対応時間・支払方法の5項目について、公式で確認できたかどうかを記録しています。5項目すべてを公式サイトで確認できたサービスは2社にとどまりました。
料金の体系を公式で確認できないサービス、在籍数を公表していないサービス、対応時間を明記していないサービスがそれぞれ複数あります。同じ項目を比べようとしても、片方に数字が無ければ比較になりません。
公開の義務が課されていない項目については、出すかどうかが各社の判断に委ねられます。この差が埋まらない限り、利用する側は同じ基準で比べられません。
| サービス | 初回特典 | 料金 | チャネル | 対応時間 |
|---|---|---|---|---|
| 電話占い絆 | 3,000円新規登録で3,000円分ポイント | 1分150円〜270円※条件あり。補足は詳細ページに記載通話料: 無料参考値 | 電話 / メール | 24時間 |
| ココナラ電話占い | 3,000円初回3,000円分の無料クーポン | 1分100円〜※条件あり。補足は詳細ページに記載通話料: アプリ経由の通話は無料。電話番号での通話は1分20円参考値 | 電話 / チャット / メール | 24時間参考値 |
| 電話占いポラルカ | 3,000円新規登録で3,000円分(3,000ポイント) | 1分180ポイント〜360ポイント※条件あり。補足は詳細ページに記載通話料: 無料(携帯・固定とも) | 電話 | 時間帯の指定あり365日、朝9:00〜翌朝5:00 |
「参考値」は公式サイトでは確認できていません。複数の紹介記事で一致した内容を、公式で裏づけが取れるまでの参考として掲載しています。
料金・特典は各サービスの公式発表をもとに手動で確認した内容です。最新の条件は各公式サイトでご確認ください。
料金の考え方は電話占いの料金の仕組みにまとめています。
規律は業界の外から入りました
一方で、変化もあります。広告の透明性については、業界の外から規律が入りました。
消費者庁は、景品表示法第5条第3号に基づき一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示を指定し、令和5年10月1日から施行しています。広告であるにもかかわらず広告であることを隠すことが、規制の対象になりました。
紹介記事やランキング記事が広告であることを示すかどうかは、これによって確かめられる項目になりました。業界の自主的な取り決めではなく、法令上の要件として置かれた点が変化にあたります。
利用する側ができること
課題の多くは構造に由来するもので、利用する側が変えられる部分ではありません。ただ、自分の側で置ける歯止めはあります。
上限を先に決める。前払いの形式を選ぶ。通話の枠を決めてから始める。この3つは、料金の設計に対する自衛策になります。
判断の材料は、公開されている項目に寄せてください。料金の数え方、対応時間、支払い方法、退会の手順。この4つが公式サイトで確認できるかどうかは、誰でも確かめられます。
困ったときの窓口
料金や契約についての問題が起きた場合、消費生活センター等が相談を受け付けています。全国の窓口は国民生活センターの案内から確認できます。
事業者とのやりとりで解決しない場合、第三者を入れる選択があることを知っておいてください。
確かめられる範囲で、課題は4つです
占いの業界について確かめられる課題は、実態を把握する統計が無いこと、参入の要件が置かれていないこと、公的機関に相談が届いていること、事業者ごとの情報公開に差があることの4つです。
産業を分類する枠組みに区分が無いため、規模も事業者数も公的な数字としては存在しません。民間の推計はありますが、内訳は公開されていません。
利用する側ができるのは、上限を先に置くことと、公開されている項目に判断を寄せることです。料金の数え方や対応時間が公式サイトで確認できるかどうかは、誰でも確かめられます。
よくある質問
占い業界に規制はありますか
鑑定を行うことについて免許や登録を求める法令はありません。ただし広告については、令和5年10月1日から、広告と判別することが困難な表示が景品表示法違反の対象になっています。
占い業界の規模はどれくらいですか
産業を分類する枠組みに区分が無く、公的な統計は存在しません。民間の推計では占いサービスに関連した主要6市場の合算値が示されていますが、内訳は公開されていません。
相談やトラブルは増えていますか
国民生活センターは2020年11月の発表で、占いサイトやアプリに関する相談が年間1,000件以上寄せられ、2019年度以降増加していることを公表しています。
なぜサービスごとに公開されている情報が違うのですか
公開の義務が課されていない項目については、出すかどうかが各社の判断に委ねられているためです。料金の体系や在籍数を公表していないサービスもあります。
利用する側にできることはありますか
上限を先に決める、前払いの形式を選ぶ、通話の枠を決めてから始めるの3つが自衛策になります。判断の材料は公開されている項目に寄せてください。
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