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占術・鑑定

占いは統計学かという問いを、統計学の定義の側から確かめる

占いは統計学だという説明が広まった背景と、統計学の手続きに照らして何が足りないのかを整理しました。経験則との違いや、過去に行われた検証の例も扱います。

占いは統計学だという説明を、鑑定の場でも紹介記事でも見かけます。この言い方が何を指しているのかを、統計学がどういう手続きを踏む学問かという側から確かめていきます。

統計学は、手続きが定まった学問です

統計学は、データを集めて要約し、そこから母集団について推論する方法を扱う分野です。集め方、要約の仕方、推論の妥当性を判定する基準が定められています。

中心にあるのは、偶然でそうなった可能性をどう排除するかという問題です。ある傾向が見えたとき、それが本当の傾向なのか、たまたまそう見えただけなのかを区別する手続きが用意されています。

このため、統計学を名乗るには最低限そろえるものがあります。何をデータとしたか、何件集めたか、どういう基準で判定したかの3つです。この3つが公開されていなければ、結果を他の人が確かめられません。

再現できることが前提になります

統計的な主張は、別の人が同じ手続きを踏めば同じ結論に近づくことを前提にしています。手続きが公開されているのは、そのためです。

同じデータに別の人が当たって違う結論が出た場合、どこで分かれたかを追えます。この追跡ができる状態が、統計学の枠組みの中にあるということになります。

占いを統計学と呼ぶ場合、何が足りないか

四柱推命や九星気学のような命術は、生年月日という決まった入力から結果を出します。規則が体系化されていて、同じ入力なら同じ命式が出ます。この規則性が、統計学と結びつけて語られる背景の一つになっています。

ただし、規則があることと統計的に導かれたことは別です。統計学と呼ぶには、その規則が何件のデータから導かれたのかが示されている必要があります。

現在使われている占術の体系について、元になったデータの件数や収集方法が公開されている例は見当たりません。規則そのものは詳細に伝えられていますが、その規則を導いた過程の記録は残っていないのが実情です。

判定の基準が定義されていません

統計的な検証には、当たったかどうかを判定する基準が要ります。「性格が積極的である」という記述が当たったかどうかを、どう測るかを先に決めておく必要があります。

占術の記述は、この基準を定めにくい形をしています。幅のある言葉で書かれているため、当たったとも外れたとも読めてしまいます。基準がなければ、集計もできません。

「占いは統計学」という言い方が広まった背景

この表現が使われるようになった経緯について、確定した記録は見当たりません。ただし、使われる場面には共通点があります。

一つは、占いに対する抵抗感を和らげる場面です。統計学という言葉を添えることで、根拠のある体系という印象が生まれます。相談を勧める文脈で使われることが多い表現です。

もう一つは、体系の規則性を説明する場面です。生年月日という決まった入力から機械的に結果が出る仕組みを、直感や霊感と区別して説明するために使われます。

どちらの場面でも、統計学という語は厳密な定義ではなく、規則があることの比喩として使われています。

使うなら、別の言葉のほうが正確です

長い年月にわたって観察と記述が積み重ねられてきた、という意味であれば、経験則という言葉のほうが当てはまります。経験則は、統計的な手続きを経ていない蓄積を指す言葉です。

経験則であることは、体系の価値を下げるものではありません。医療でも工学でも、統計的に確かめられる前から使われてきた経験則があります。統計学ではないという指摘は、役に立たないという指摘とは別のことになります。

過去に行われた検証の例

占術を統計的な手法で検証しようとした試みは、いくつか記録されています。よく引かれるのが、1985年に科学誌ネイチャーに掲載された検証です。

物理学者のショーン・カールソンが設計したもので、占星術師に出生図と性格検査の結果を渡し、どの人物に対応するかを選んでもらう形式でした。占星術師の側も設計に関わり、事前に手続きに同意したうえで実施されています。

結果は、偶然に選んだ場合と有意な差が出ないというものでした。この検証をめぐっては、設計の妥当性について占星術の側から反論も出されています。

検証の結果をどう扱うか

一つの検証で体系全体の是非が決まるわけではありません。ただし、統計学だと述べる場合には、こうした検証の存在も併せて扱うのが筋になります。

統計学という言葉を使いながら、統計的な検証の結果には触れないという説明の仕方は、言葉の使い方として整合しません。

心理学からの説明が置かれる位置

占いの体験を説明する枠組みとして、統計学ではなく心理学が挙げられることがあります。誰にでも当てはまる記述を自分のことと受け取る傾向や、当たった話のほうを覚えている偏りが該当します。

これらは実験によって繰り返し確かめられてきた現象で、統計的な手続きを経ています。占いの体験の一部を説明する材料としては、統計学より心理学のほうが直接に関わります。

ただし、心理学的な説明が付くことと、占術の体系が無意味であることは同じではありません。説明が並立している状態として受け取っておくほうが、判断を急がずに済みます。

相談する側にとって、何が変わるか

占いが統計学かどうかという問いは、学問の分類の話に見えます。ただし、相談する側にとっても実際的な意味があります。

断定の強さを判断する材料になります

「統計的にこうなっています」という言い方で断定された場合、その統計がどこにあるのかを聞けます。答えが返らなければ、断定の根拠は体系の内部の規則ということになります。

体系の内部の規則であることが分かれば、受け取り方が変わります。外部の検証を経た事実として扱うか、体系に沿った読みとして扱うかの違いです。

費用の判断にも関わります

根拠の性質が分かれば、どれくらいの費用と時間をかけるかを決めやすくなります。検証を経た事実として扱うなら重く扱い、体系に沿った読みとして扱うなら参考の一つとして扱う、という配分ができます。

自分で確かめる範囲は残っています

体系そのものを統計的に検証するのは、個人には難しい作業です。一方、自分に対する読みが当たったかどうかを記録することはできます。

鑑定の直後に、期限と出来事が特定された内容だけを書き出します。期限が来たら見返して、当たったか外れたかを付けます。これを数回繰り返すと、自分の場合の割合が見えてきます。

件数が少ないため統計的な結論は出せませんが、その読み手を続けて使うかどうかの判断には足ります。判断に必要な精度は、学問の検証に必要な精度とは違います。

説明の仕方を、選ぶときの材料にする

サービスや読み手を選ぶとき、根拠の説明の仕方は観察できる材料の一つになります。統計学という言葉を使っているか、どういう意味で使っているかを見てください。

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言葉の使い方を確かめると、扱い方が決まります

統計学は、データの集め方と判定の基準が定まった学問です。占術の体系について、元になったデータの件数や収集方法が公開されている例は見当たらないため、統計学という語をそのまま当てるのは難しくなります。

長年の観察と記述の蓄積という意味であれば、経験則という言葉のほうが当てはまります。経験則であることは、役に立たないという意味ではありません。

相談する側にとっては、根拠がどちらの性質かが分かれば受け取り方を決められます。断定された内容については、その根拠がどこにあるのかを聞いてみてください。

よくある質問

占いは統計学なのですか

統計学と呼ぶには、元になったデータの件数と収集方法、判定の基準が示されている必要があります。占術の体系についてこれらが公開されている例は見当たらないため、統計学という語をそのまま当てるのは難しくなります。

なぜ占いは統計学だと言われるのですか

生年月日という決まった入力から機械的に結果が出る規則性があるためです。また、根拠のある体系という印象を添える表現としても使われます。厳密な定義ではなく比喩として使われている場面が多くなります。

経験則と統計学は何が違いますか

経験則は観察の蓄積から導かれたもので、統計的な検証の手続きを経ていません。統計学は、偶然でそうなった可能性を排除する基準を定めたうえで結論を出します。

占星術の検証は行われたことがありますか

1985年にネイチャー誌に掲載された検証がよく知られています。出生図と性格検査の対応を選ぶ形式で、偶然と有意な差が出ないという結果でした。設計の妥当性については反論も出されています。

統計学でないなら占いは意味がないのですか

統計的な手続きを経ていないことと、役に立たないことは別の話になります。当たるかどうかではなく、自分にとって判断の材料になったかどうかで見る使い方もできます。

この記事から確認できること